どうもカッツプロダクション代表のカッツです、秋田出身のIT屋として今回はちょっとモヤっとした話です!!

地味なバンド動画視聴だけでもしてください。(CM)

インスタを眺めてたら、こんな広告が流れてきまして(7月頃)。

出典:Instagram広告

「秋田県主催」「未経験から1ヶ月でIT転職/就職」「参加費無料」。秋田県が主催する公共事業で、デジタル人材を育成するプログラムの広告ですね。

取り組み自体はいいと思うんですよ。地方のIT人材不足はリアルな課題ですし、無料で学べる機会があるのは価値があります。

ただ、、、このイラスト、ナマハゲじゃなくないですか?!

秋田人が見たら一発でわかる残念感

まず前提を確認しておくと、ナマハゲって男鹿半島の伝統行事で、国の重要無形民俗文化財ですね。大晦日に家々を回って怠け者を戒める、神様の使者という位置付けなんですよね。

で、見た目の特徴がこれです。

こちらはモダンで皆さんが慣れ親しんでるデフォルメされたなまはげ(筆者曰く)
こっちはトラッドなまはげ(こっちがリアリティーがあって好き 筆者曰く)

広告のイラストを見ると、、、藁っぽい衣装は着てるんですが、目つきとか顔の造形も角の付き方も全然違う。というか正直、なんなのかよくわからない 遠野のなもみ(岩手版なまはげ 東北似たの結構あるんですよね)でもないし(笑)。

岩手のは遠野のなもみ

比較してみました このお隣さんは西馬音内の盆踊りかしら??

秋田県民が見たら「あ、これナマハゲ知らない人が作ったな」って一発でわかるレベルです。というか秋田県主催じゃないの?? 仕事雑すぎませんか、、、地元の人間からすると、伝統行事をモチーフに使うならもうちょっとリスペクトしてほしいなというのが正直なところで、、、

AIスキルを教える広告が、AIをノーチェックで使ってる皮肉

で、ここからが本題です。

このイラスト、おそらく画像生成AIで作ったものだと思うんですよ。「秋田 モンスター 藁の衣装 ノートパソコン」みたいなプロンプトを投げて出てきたやつを、そのまま使ってる感じがします。

で、何が皮肉かというと、、、この広告が宣伝してるのは「生成AIをはじめとしたITスキルを学べるプログラム」なんですよね。

AIを教える側が、AIの出力を確認せずに世に出してる——これ、AI活用で一番やってはいけないことの見本になっちゃってるんですよ。

前に書いた記事でも触れたんですが、AIが生成した図版ってパッと見はそれっぽくても中身が間違ってることが本当に多いんです。だからこそ人間の目視チェックが必須で、それを教えるのがAI教育の本質だと思ってるんですが、、、

今回のバナーは、まさに「AIが出したハルシネーションをノーチェックで公開してしまった実例」になってしまってます。これは教材として使えるレベルの皮肉となっちゃてますね

「1ヶ月でIT転職」に現場の講師として思うこと

もうひとつ引っかかったのが「未経験から最短1ヶ月でIT転職/就職」というコピーです。

自分、山形の職業訓練校で非常勤講師をやってるので、実際に未経験の方に教える側にいるんですよ。その立場から正直に言うと、、、1ヶ月はかなり厳しいです。

もちろん「転職できる」という意味では可能性はあります。IT業界は人手不足なので、スキルがまだ足りなくても「入ってから育てる前提」で採ってくれる会社はあるんですよ。でも「採用される」のと「即戦力になる」のは全然違うんですよね。1ヶ月で身につくのは、あくまで入口の入口です。

ここを正直に伝えないと、入った人が現場でしんどい思いをすることになる。「話が違う」ってなるのは受講者本人なので、そこが一番心配なところです。

行政の気持ちもわかる

で、ここまで書いておいてなんですが、、、これ、誰か個人が悪いって話じゃないと思ってるんですよ。

自分、若い頃に自衛隊にいたんですが、組織の「やってます感」を作る仕事って普通にあるんですよね。予算がついた以上は使わないといけない、上に報告できる形にしないといけない。中の人間は真面目にやってるんだけど、外から見たら意味がわからない、みたいな。あの感じ、めちゃくちゃ覚えがあります

行政のデジタル人材育成予算も、構造は似てると思うんですよ。

  • 国から降りてきた予算は使い切らないといけない
  • 成果として「受講者〇〇人」「マッチング〇〇件」というわかりやすいKPIが求められる
  • 担当職員はITの現場を知らない人が多い(公務員なので当然です)
  • 事業者は行政が喜びそうなトレンドワードで企画書を作る
  • 結果、誰も嘘はついてないのに、実態とズレた事業ができあがる
中の職員さんだって「やってます感」を出さないと次の予算が付かないわけで、、、この茶番で飯を食ってる気持ちは正直めちゃくちゃわかるんですよ。自衛隊にいた頃の自分がまさにそうでしたし。

あと事業者側も、美味しい補助金をチューチューしたい気持ちはわかる(笑)。いやこの案件がそうだと言ってるわけじゃないですよ、あくまで一般論として。自分だって立場が違えば同じことをやってたかもしれないですし、そもそもああいう公募に企画を出せる体力とバイタリティがある時点で、正直すごいとは思ってます。

だから「行政が騙されてる」とか「業者が詐欺をやってる」という単純な話じゃなくて、構造として歪みが生まれてるというのが実態に近いと思ってます。

、、、おっと話がずれました(笑)。バナーのナマハゲの話でしたね。

じゃあどうすればいいんだろう

正直、明確な答えは持ってないです。

ただひとつ言えるのは、クリエイティブのチェックくらいは地元の人間を一人挟めば防げたということですね。秋田県民が一人見れば「これナマハゲじゃないです」で終わる話なので。

あと「1ヶ月で転職」みたいなコピーも、「1ヶ月で最初の一歩を踏み出せます」くらいの表現にすれば誠実さが保てるのになと。集客力は落ちるかもしれませんが、後々のミスマッチは減るはずです。

参考になれば幸いです!WEB & AI相談 & ツッコミどころあれば連絡ください。

では今日はこれくらいで失礼します!